2014年12月19日

ギャラリーPawの、絵と文字展

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数日間、爆弾低気圧というものが、北日本だけでなくあちこち局地的に寒波の猛威を振るった。吹雪の中停電になると、物資が滞り否応なく陸地の孤島になってしまう。雪に慣れた北国の人も、一晩で積もる雪の重さに押しつぶされそう。阪神間は雪も殆ど降らず恵まれているけれど、唯一20年前の神戸淡路の震災の時は、ライフ・ラインが一瞬で飛んでしまった。あの時は雪も津波もなかったけれど、寒さと不安の中で眠れぬ夜が続いた。何を優先するかを考えずにはいられなかった。その決意を改めて肝に銘じなければ。最近のように携帯電話も普及していなかった。電池が切れた後は手動で発電するラジオが有難かった。心に焼き付けられた崩壊した町並みの理不尽さが蘇る。暖かい言葉も氾濫していたけれど、表面的な綺麗事は届かない。慰め方は難しい 。ボランティアの若い人達には感謝したけれど、何故かゴミが増えてしまった。普段きちんと分別してゴミを出すなどして整っている町並みを目にするだけでも、情緒が安定するのだと今は分かる。

さてギャラリーPawの、今年最後の企画シリーズは「比・絵と文字」展である。心に描くイメージとそれを端的に表す記号の様なものの組み合わせと理解して、しばし自分の中の未開発な部分を掘り起こす事に集中した。あっという間に今年も終わろうとしているこの時期に、雑事に流されず踏みとどまっただけでも良しとしよう。寒波のなか見に来てくれる友人の有難さも身に沁みる。

上の画像について
左上は、ギャラリーの入口の看板
右上は、ギャラリーの備品の鉄のストーヴ(注文可能、一台4万5千円)
出品作品2点
左下は、オブジェ作品「HIDDEN/隠された」
右下は、オブジェ作品「SCOOP/特種」
他に平面など4点出品中。

2014・12・12(金)〜21日(日)/休廊日15日(月)
12:00〜19:00(最終日は17:00)

ギャラリーPaw
0797−32−1791

〒659−0064芦屋市精道町2−15
阪神芦屋駅を下車、線路海側を東に徒歩5分
posted by TERADA Mariko at 15:53| 日記

2014年10月13日

芦屋に、はちのすオープン

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芦屋をぶらつくなら、阪急芦屋川駅から西に向かう西山町の商店街がここ数年ブームらしいのだけれど、どちらかというと阪神芦屋駅から東に鳴尾御影線を歩いて茶屋之町方面までの道中の方が充実している感じがします。その茶屋之町へは、JR芦屋駅から国道2号線を渡って南下する、通称「桜通り」に出る方が分り易いかもしれません。お菓子屋さんや雑貨の店がとても多い桜通りです。雑貨狂いの私にとっては、ヴィンテージ雑貨のBASKETがいつも魅力的です。老舗のカフェ&雑貨の「スペース・R」も楽しく、特に3階のギャラリーは面白い企画をやっていて素通りできません。黒豆がぎっしりの食パンで有名な「近又」もユニークです。そのまま桜通りを少し下ると古いビル「スカウト会館」があり、その1階で「はちのす」というニットのお店が今月8日にオープンしましたのでご紹介します。

「はちのす」は、桜通りから覗くと白い壁に北欧調のきれいな色の毛糸が映えているので、すぐ分ります。オーナーはニット作品の作り手でもある二森映子さん。ニューヨークで個展をする行動派で、私の古い友人です。今は、母上の遺志を継いで二代目としてNIMORI・KNIT・STUDIOを主宰しています。彼女の仕事場であり、毛糸のお店であり、手づくりの作品展の為の展示スペースでもある「はちのす」は、きっとニットを愛する皆様の拠点になるだけでなく、若い方達に創造の刺激を与える事でしょう。
因みに、昔、この場所は「はちのす」という、ガールスカウトの少女達の為の集会所だったそうです。もちろん二森さんもその一人。素敵ですね、仕事をしながら歳を重ねて、その延長線上に無理なくご自身のスペースが持てるなんて。友人としても嬉しく誇らしく思います。是非お出かけ下さいませ。

はちのす

659−0067 
芦屋市茶屋之町8−12 スカウト会館1F (桜通りの東側)

090−7346−4605
eiko_knit@kcc.zaq.ne.jp

通常の営業は、月・水・金 11時〜16時

展示会の開催中は、無休

11月1日(土)〜7日(金)   石宮千佐登 展 「そらとにじとてんしたち」

11月11日(火)〜16日(日) 二森映子 編展 C o l l e c t i o n

12月2日(火)〜7日(日)   江本美知   KIRORI   冬のバック展

posted by TERADA Mariko at 01:26| 日記

2014年09月23日

点と線といえば、、、

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松本清張のミステリー(1958年)の題名を思い出させる「点と線」。時刻表マニアの著者が、事件(点)とストーリー(線)を綿密に組み立てる。画期的な手法が今でも新鮮で何度もドラマ化されている。携帯電話も監視カメラもない時代背景の方が断然、時間は丁寧に流れ、登場人物の振る舞いも慎ましい。物言いも優雅とさえ言える。物質崇拝で欲望ばかり肥大化した挙句、失われてしまった物がそこにある。人々の行動範囲があまりにも広がってしまい、ひとりの人間はますます小さな存在になり、衛星からピンポイントで捕捉されている事をつい忘れがち。ドライな視線が、そこに本当の暮らしがある事を忘れさせてしまうのだ。イスラム国の兵士がアメリカ製の武器を持ち、膝を付いた人質を処刑しようとしているTV画像が現実なのか、悪い冗談なのか分からなくなる。一向に治まらないヘイトスピーチを止めさせるにはどうしたら良いのだろう。憎悪をかきたてれば、簡単に右寄りの同じ方向に走り出しそう。無関心が落差を増幅させ、孤独が深まるという悪循環。こんなに老人を狙う詐欺が頻発するのは、何故だろう。点と点をゆっくり繋ぐように、面倒がらず人間関係を育てる感覚を取り戻さねば、又同じ過ちを犯す事になるだろう。

前置きはこのくらいで、既に始まっているグループ展「素 点と線」のご案内をしなければ。
添付画像は、出品している拙作6点のうちの2点。
「PIN POINT/ピンポイント」 と 「BUGFUL/袋一杯」

「素 点と線」展

2014・9・19金曜日 〜 9・28日曜日
12:00 〜 19:00(最終日17:00)

ギャラリー Paw

〒6590064 芦屋市精道町2−15
T&F 0797−32−1791
★阪神芦屋駅から線路の南側沿いに、東に徒歩5分

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posted by TERADA Mariko at 02:24| 日記

2014年02月03日

春を待つ心

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明日は節分。春を待つ心が春を引き寄せる。重いコートはもう欲しくない。壁には新しい絵を飾ろう。そういう意図かもしれない「春待ち展」に参加している。この時期は何処も足が遠のくと言われているのだけれど、梅田の茶屋町界隈は、いつも人が多い。梅田ロフトやマルゼン書店も充実していていて、周囲の開発も順調に進んでいる様だ。NU茶屋町には新しいファッションが溢れている。

茶屋町の「4匹の猫」というユニークな名前の画廊に参加するのは楽しい。なぜなら猫好きの画廊主が猫好きの友を呼ぶような気がするから。今回の「春待ち展」に参加しているのは他に5人。良く見ると作品群の中に、猫達が散在している。実は私も、20点の平面作品は抽象なのだが、5匹の猫の作品を新しく作っている。お序があれば、ぜひご覧下さい。

添付画像の左は「アーモンド」1070-2014
添付画像の右は「コンセントリック」0634-18-2003

春待ち展−冬の玉手箱 vol.2
2014年2月4日(火)まで

11:00〜18:00(最終日は17:00まで)

GALLERY 4匹の猫
大阪市北区茶屋町5−2
06−6359−6516
http://www.4hikinoneko.com
posted by TERADA Mariko at 00:08| 日記

2013年11月02日

6年ぶりのLADSギャラリー

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小春日和の毎日が続いて、画廊めぐりには最適の気候で嬉しい。久しぶりに、福島3丁目のメリヤス会館のLADSギャラリーで、個展をしている。大きいほうと小さいほう、両方のスペースを使って6年のブランクを埋めている。かなり壮観。
朝の陽射しが入っても、さすがに11月ともなれば猛暑の夏の気配は遠く、快い。


展覧会のテーマは「CELL/細胞」。
いままでも〇△等を多用してきたので、細胞的ではあるのだけれど、今回は特に正四角形をコラージュして平面を構成し、タイルや瓦のように見立てた作品群が新しい。いつものように平面だけではなく小さなオブジェも思わぬところに、散らせてある。
どうぞ、ご覧下さい。

ほぼ毎日13時から18時位まで画廊に詰めています。

会期 11月10日(日)まで
12:00〜19:00(最終日17:00)
月曜休廊

ラッズギャラリー
06−6453−5706
大阪市福島区福島3−1−39メリヤス会館1F

http://www8.plala.or.jp/LADS/
posted by TERADA Mariko at 11:11| 日記

2013年09月02日

カロ:理想的なアートな空間

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8月31日土曜日の夜、大阪の地下鉄四つ橋線肥後橋駅F番出口下車すぐのカロ(Bookshop and Cafe Calo)に、出張立ち飲みバーが出現した。バーの名前はミシン。ミシン使い名人の帽子作家・曽田朋子さんと、もう一人のシェフ(堂島リゾームのお昼を担当しているHitsuji-do朝田直子さん)が、美味しいスペアリブやバーニャ・カウダ等を出してくれた。バーニャ・カウダのアンチョビソースは茹で牛蒡などによく合いますね。冷えた瓶ビールが美味しかったです。

ギャラリーの展示は、5人のアーチストによる「身に付けるアート・持ち運べるアートU」。それぞれ普段の作風とは少し離れた、小さめの面白い作品を作っている。5人の作風の紹介を少し。
★日下部一司氏は、昭和20年代のオモチャに手を加えたとのこと。作品を引き立たせるレトロな楕円形の展示台に乗せるだけで、一目でそれと分かる日下部氏の世界がある。
◆nakaban氏は、いつものイラスト(カロの包装紙デザインも担当)ではなく、手の平に乗る木のオブジェ「木果」たち。思わず触りたくなる温かみが素敵。
▲常本若菜さんの作品はとても小さい。身の回りにある例えば化粧の油取り紙を丁寧に丸く切り抜いたものを散らしたり、色々な色の石鹸を彫り出し水晶のような輝きを与えたりで、なんとも独自の世界。
■キタミノル氏は、鉄製の硬質な箱が魅力的。木片に着色した作品と一体になって思い出を閉じ込めた印象の仕上がり。

◎そして箱好きの私、寺田眞理子は、紙の箱にコラージュ作品をコピーしたものを表面や内側に貼っている。時計の部品やプラスチックの欠片や貝殻を繋ぎ、箱の中身とした。箱の方が主役の様だが、箱は作品の輪郭でもあるのでとても大切。特にグループ展の場合は。「箱+α」の画像4点添付。

Caloは、book cellar amus のDNAを受け継いでいる。Caloの本棚に、amusで見たことがある鉛筆画のワイズベッカーの本を見つけたときに、つくづくそう思った。今はなき、大江ビルの地下に存在したあの懐かしい夢の本屋さんを思い出す。今後もCaloには、ぜひ頑張ってもらいたい。ユニークな企画がますます楽しみだ。

Wearable Art / Movable Art vol.2 は、9月14日(土)まで。
Calo  
大阪市西区江戸堀1−8−24 若狭ビル5F 
06-6447-4777
http://www.calobookshop.com/
12:00〜20:00 (土曜日〜18:00)

定休日: 日曜日・月曜日 
posted by TERADA Mariko at 00:21| 日記

2013年07月31日

姫路のView

今年は梅雨明けが早く、7月といっても8月のような猛暑の日が続いている。画廊から案内状が来ても、なかなか腰が上がらぬ向きが多いだろう。そこで、ひとつお勧めのクールな場所がある。今年の春、姫路市の名古山町から、お城のすぐ近くの本町に移転して来たギャラリー・Viewは、一見の価値ありだ。まず、備品がすっきりとして、置く物が映える。オーナーの高野さんのアイデァとセンスが光る。天井と床をピアノ線がつなぎ、透明の棚板が中空に浮かんでいるように見える。それが本当に軽やかで、空調で少し揺らぐのも楽しい。ガラス張りなので外からも良く見える。白とグレーで統一された壁も気に入った。
先々月、急に個展の依頼があった時は、まだ見ぬスペースに少し不安もあったが、引き受けることにした。もしかしたら姫路で唯一の現代美術を扱う所かもしれないのだ。
途中下車して、ギャラリーViewを覗き、帰りは駅まで続く伝統ある御幸通りをぶらつくのも一興。

JR新快速なら、大阪から1時間ちょっとで姫路駅に着いてしまう。三宮からなら40分しかかからない。駅に隣接した新しいビルPioleもできていて便利。
姫路駅の北側に立つと姫路城が見える。ギャラリーViewまでは、大手前通りをまっすぐ城の方に徒歩10分。大手前公園の手前右側の大手前第一ビルの1階。
地図など詳しくは、スケジュールの頁でご覧下さい。

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寺田眞理子 作品展
2013年7月19日(金)〜31日(水)
11:00〜18:00(最終日は17:00まで)
月曜休廊


ギャラリー View
〒6700012 姫路市本町68-170-14 大手前第一ビル 1F 10
TEL:090-9707-3562
view@nike.eonet.ne.jp
posted by TERADA Mariko at 16:14| 日記

2013年02月06日

楓ギャラリーの100ps展

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粋な黒塀が目印の和風モダンな、楓ギャラリー(大阪の谷町六丁目)で、面白い展覧会が始まった。50人が2点づつ、合計100点の作品が並んだ。
P.S.つまり「追伸」がテーマなので、一つ一つの作品に付けられた題名をじっくり見ている来訪者が多い。企画者の野口ちとせは、ご自身も多才なアーチストなのだが、とてもユニークな展示をしてくれて、100点もの作品があっても狭いとは感じさせない。
私も「屋上屋ではなく、ただ美しい形がみたいだけ」という気持ちで作ったオブジェPENTHOUSEと、「共感したと、つい肝心な事を言い忘れる」と言いたかった平面SYMPATHY、の2点を出している。
是非ご覧下さい。

楓ギャラリー
大阪市中央区上本町西1−4−20
Tel 06−6761−0388
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kaede-g/
地下鉄谷町線・長堀鶴見緑地線の「谷町六丁目駅」@B号出口で下車徒歩3分

2013年2月5日(火)〜16日(土)
12:00〜19:00(最終日17:00)
月曜日 休廊
posted by TERADA Mariko at 19:58| 日記

2013年02月03日

春の使者

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明日は立春。僅かに日差しが強くなり、水も温んできた。冬枯れの庭に毎年、小鳥たちが賑やかに遊びに来てくれるのが嬉しい。驚いたような目の目白は、まさに春の使者。山茶花の花の蜜が好きな天敵のヒヨドリとの攻防も日毎に激しくなる。寒肥を撒いた後には決まって慈雨が降り、自然が刻む歯車には狂いがない。鳥達を見ていると、早々と旅立った友人を思い出す。輪廻転生を信じている訳ではないが、又いつかきっと、懐かしい人に似た誰かに会えるような気もする。
posted by TERADA Mariko at 16:13| 日記

2012年06月19日

白黒→百花繚乱へ

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ギャラリーPaw(芦屋市精道町)の素材シリーズ「白黒展」が終了した。梅雨の真っ只中ながら清涼剤のようなクールな印象をのこした。27名もの参加者だったが、色を極力限定されると、たとえ雑多な物が溢れて収拾がつかないほどであっても、遠目にも美しくすっきりと納まってしまっていた。普段の暮らしにおいても、色だけでも最小限に統一すればかなり心地良いはず。それがもしモノトーンなら少し単調かもしれないけれど、一段と格調高くなるだろう。今回Pawで出会った方(特に出品者)は、服装まで何となく白黒的なものだから、作品と同化して見えて、内心ほほ笑ましく思ったりもした。完璧主義の方が結構いるのですね。多色使いの私としては、白黒の構成は楽しくもあり新鮮だった。
添付画像(上)は、拙作の平面レリーフのなかの1点「「凝視/UNBLINKING」

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頭を切り替えて、伊丹市立工芸センターの薔薇がテーマの企画展の方にも出品する機会を頂いた。バラと聞けば「綺麗なバラには棘がある」や「有刺鉄線=ばら線」などを連想したものの、そのまま作品にするのは尖りすぎて危ないのではと悩ましく、あまりに具体的なテーマは却って難しいと痛感した。結局、木の箱に△形(花びらや棘のイメージ)の紙片をコラージュして色をつけ、5色の箱型のオブジェがなんとか出来ました。添付画像(下)。

伊丹市立工芸センター 
「ばら大好きツ展」http://mac-itami.com
2012・6・16(土)〜7・1(日) 
10:00〜18:00 入館は17:30まで
月曜休館
入場無料
posted by TERADA Mariko at 15:36| 日記