2017年11月02日
干柿の楽しみと、寒風の有難さ
先月は台風の余波で、蒸し暑く洗濯物も乾かない日々が続いた。
はやく吊るし始めた渋柿が、扇風機を総動員しても、うまく乾かず残念な結果と
なり、しばし好機を待つ事にした。
11月に入り木枯らし一番の声を聞き、再度挑戦してみる事にする。
山形の庄内柿に似た平たい渋柿は、熟して渋が抜ける頃、急に糖度が増す。
陽がさすとオレンジ色に輝きひときわ美しい。
鳥に見つかると元も子もないので後は冷蔵庫で保存する事にする。
だんだん色が濃くなり縮んでゆくのを見ながら、良い硬さを選ぶ。
トロトロからコチコチまで、それなりに美味しい。
正月まで置くと乾燥イチジクの様に黒くなるが、それも又美味だ。
木の実というものの底力には、毎年脱帽するほど感心してしまう。
ヘタの周辺の汚れをしっかり取るように気を付け、皮を剥くだけの手間いらず。
薄皮が出来ると安心して、寒風が吹くのを待つ。
念の為、熟成をうながす強い酒をヘタの周りにスプレーする事もある。
輝くオレンジ色の内側では、一体どんな世界が展開するのだろう。
虫も鳥も寄り付かない渋味が、劇的に、極上の甘みに変わるのだ。まるで神業。
干柿の嫌いな人が意外に多く、不思議に思う。
年末は、西条柿を吊るそう。
posted by TERADA Mariko at 16:34| 日記