2011年02月15日

ルーシー・リーの奇跡

LUCIE-RIE1102.jpg
中之島(大阪)の市立東洋陶磁美術館でのルーシー・リー回顧展は一昨日(2月13日)で終了したが、会期末は閉館時間を午後7時まで延長するほど来館者が多かったらしい。ウイーンで研鑽を積んだ後、ナチスの迫害で英国に亡命しロンドンで活動したLucie・RIE(1902−1995)については、最近印刷物も多い。三宅一生が日本に紹介したのはずいぶん前になる。彼女の陶による造形は、繊細な色と曲線的な形が独特で初めて見た時から極めて知的な印象だった。日本で「民芸」運動に関ったバーナード・リーチに影響を受けたと、物の本に書かれてあったが俄かに信じがたい。釉薬をザブッとかける豪快さや厚ぼったい質感とは隔絶しているからだ。もちろん焼成は色出しの実験に適した電気窯に違いない。今回は、ポスターに使われた美しいピンクが入った朝顔形の花器や大皿等の他にも、確かに日本の影響が感じられる小さな酒器なども相当数あり、2百点余のコレクションが展示された。極めて薄作りで計算しつくした一面と、どこか不安定な歪みも併せ持ち、線掻きや色付けの筆使いは硬質で複雑、それでいて愛らしく、しかも毅然としている。まるで奇蹟。画像は売店で求めたTシャツの胸の部分。

同美術館で併設されている特別展示も興味深い。福島サトコ氏の寄贈による川崎毅(1942-)の土と金属による造形。都会のビル群をモチーフした白いオブジェは感傷の余地がなく心地よい。こちらは3月27日(日)まで。
posted by TERADA Mariko at 01:23| 日記